ヴァンゲームログ

ボードゲームの記録だったり、日常ログだったり。

僕たちはいつだって、子どもであることを許されていい。

 この記事は「ボドゲ紹介 Advent Calendar 2022」15日目の記事です。

adventar.org

 

こんにちは!小学5年生、フリーランスのボードゲーマーことヴァントです。

 

昨日はやぎのちゃんの「大人たるもの遊ぶべきボードゲーム。」でした。HABAでいっちゃん面白いゲームの話をしてくれています。HABAでいっちゃん面白いゲームですこれは。大人たるもの遊んでくれ。

 

さて、冒頭に戻ります。なんだかフリーランスのボードゲーマーという名乗り方こそしていますが、一端の会社員です。これはボードゲームを遊ぶときくらい、自由にやらせてくれていいでしょうという意味なので、まったく「フリーランスのボードゲーマー」という職業ではありません。ただ勝手に名乗ってるだけです。

みんなの想像するフリーランス

 

さてその前に冠した「小学5年生」という肩書きですが、まあ前述の通り一端の社会人でございます。当然11歳の少年少女でもありません。

冬休み前もだいたいこう

 

 

そんな私が、本当に小学5年生だった頃の話をしましょう。

東京下町の地元の小学校に通っていた私ですが、それこそあまりいい思い出がありません。

深夜になるとワンカップを持ったおじさんが自転車をふらふら乗り回していたり、

普通に危ないです

 

同級生の家の扉を開けると傘立てに釘バットが刺さっていたり、

普通に女の子の家とか行ってもある釘バット

 

運動会の父兄の背中からはTシャツから刺青が覗いていたり、

立派な紋紋だったなあ

ともかく、お世辞にもお育ちのよい環境とは言えませんでした。

もちろん、楽しい小学生時代を過ごしてきた人もたくさんいるでしょう。しかし少なくとも私には、その経験がありません。

 

どこかで大人にならなきゃいけなくて、それが人よりもずっと早かったのかもしれません。ずっと、子ども時代を子どもらしく生きてきた、知りもしない誰かのことが羨ましいんです。

 

楽しい子ども時代を過ごした人も、そうじゃなかった人も。もしも、いま子どもであることが許されたなら。子どものように笑うことが今でも許されるなら。

たのしい学校生活、いいよね



そんなあなたにこちら!!

ソックスモンスター:アクティブキッズ!!!

パッケージに「キッズ」と冠されていますが、決して子どもしか遊んではいけないわけではありません。そうです。いい大人になった我々が、子どもに戻って遊んでいいんです。社会の歯車を回していてもいなくても、ゲームを遊んでいる限り俺たちアクティブキッズなのです。なにそれ、最高じゃん!!

HABA社のゲームのキャラクターには、「キャプテン・リノ」くんや果樹園のカラス「テオ」くんなど様々名前を付けられていますが、パッケージのこいつはただのソックスモンスターです。名前などありません。ただのソックスモンスターです。なんかいい名前付けてやれ。

やぎのちゃんの記事を見て「HABAで被るし子どもネタでも被っ…面白いキッズゲームなんてなんぼあってもいいですからね。もっとキッズゲームを面白がる人が増えて欲しいんだわ。そういうこと。キッズゲーム推進委員会の2日目ってことで以後よろしく。

 

さあ早速パッケージを開けてみましょう。

中には4つの洗濯カゴとたくさんのフェルトの靴下、そしてプラスチックでできたちょっと大きめの洗濯バサミが入っています。

 

5色1組の靴下セットを持って、洗濯カゴを部屋の四隅に置いたら準備完了です。別に四隅じゃなくてもよくて、1個はリビング、1個はキッチン…とかでも大丈夫。とにかく離れた場所に全部置きましょう。目指すはいち早く手持ちの靴下5つを洗濯カゴに片付けること!!いけ!!キッズ!!

せんせーい、また○○くんが廊下を走ってまーす

……まあまあ落ち着いてください。お片付けのルールについて話していませんでしたね。まずは好きな洗濯カゴのところに行きましょう。ここは人と被らない洗濯カゴがいいです、なにせ誰かが自分より先に洗濯カゴを使っていたら順番待ちですから。最初くらいはひとりで洗濯カゴのところに向かいましょう。

レンジフードに置いてみました

 

さて最初の洗濯カゴの中身を覗くと、色のついた靴下の絵が描かれています。これ、「次はこの洗濯カゴに行け!」の指示です。

青い靴下だから…次は青い洗濯カゴ!

お気付きかもしれませんが、手持ちの5色の靴下のうち4色(赤・青・黄・緑)は部屋の四隅に置いたら洗濯カゴと対応しています。さあ、それでは好きな色の靴下を今いる洗濯カゴにひとつ入れて、箱に描かれていた青色靴下と同じ色の青い洗濯カゴに向かいましょう!!

 

 

さて向かった青色の洗濯カゴには、誰かが入れた靴下が既に入っています。

ベッドの脇にでも置いてみました

 

お分かりですね?こちらも次は黄色の洗濯カゴに行け!の指示です。みんなが洗濯カゴに行くたびに、カゴの中の指示はどんどん上書きされていきます。こうやって洗濯カゴを回ってどんどん靴下を片付けちゃいましょう。

 

 

部屋が狭くて置く場所がなくなりました

おや、灰色の靴下が入っていました。でも灰色の洗濯カゴなんてどこにもありませんね。こいつは「さっき自分がいた洗濯カゴに戻れよな!」という指示です。ふざけんじゃねぇぞほんと。逆戻りしましょう。

 

そんなことをしてると、だいたいどこかの洗濯カゴで渋滞が発生します。でも我々、いくらアクティブキッズとはいえ訓練された片付け上手の子どもなので、ちゃんと順番は待ちましょう。気のせいか気のせいじゃないか、なんかちょっとだけムカつきますけど。

 

こうしてゲームを続けていき、最初に靴下を全部片付けてスタート地点に戻った人が勝ちです!!うわあ、部屋が荒れそう!!片付けてるのに確実に散らかる最悪のゲーム!!これぞアクティブキッズ!!

 

そういえば、1個だけ入っている洗濯バサミの話をしていませんでした。

そう、こいつね

 

ヴァリアントルールではありますが、せっかく大人が子どもになるんです。どうせなんでこのルールも入れましょう。なに、大したことじゃありません。

 

最初に適当な洗濯カゴに洗濯バサミを付けておきます。そして、共通のアクションをひとつ決めます。例えば「腹筋10回」とか「ハッピーバースデーを歌う」とか「世界のナベアツになって10まで数える」とか、そういうのがいいです。最初にみんなで共有するようにしておいてください。

 

で、もしも向かった先に洗濯バサミがあったなら……。

靴下をひとつ片付ける前に決めたアクションをやってください!!!!

 

向かった先に洗濯バサミがあったらもう最悪です。めちゃくちゃ腹が立ちます。向かった先で誰かがアクションをしていたら、さっさとどいてくれよ邪魔だなあってなります。あっちの方で「いち、にい、サァァーーーン!!」とか聞こえた日には腹筋が崩壊します。

 

もしもアクションをやる羽目になってしまったら、次の洗濯カゴに向かうときに洗濯バサミも動かしましょう!誰かがきっと洗濯バサミの餌食になってくれることでしょう。最悪すぎる。ボードゲームアドベントカレンダーなのに、もはや盤上の姿かたちもありません。部屋そのものがボードです。ふざけてんだろマジで。

 

ここまで『ソックスモンスター:アクティブキッズ』についてご紹介してきましたが、実は元になったゲームがあります。その名も『お宝猛ダッシュ』。同じくHABA社のゲームで、海賊がモチーフになっているだけで基本的なルールは全く一緒。箱のサイズは『ソックスモンスター:アクティブキッズ』の方がコンパクトですが、『お宝猛ダッシュ』にはもっと豊富にヴァリアントルールが入っています。まあこっちは遊んだことないので、誰か持ってたら遊ばせてください。

 

元になったゲームがあるなら、元のゲームでいいじゃんと思うかもしれません。まあ遊んだことないからそっちは書けないんですけども。

でももうひとつ、『ソックスモンスター:アクティブキッズ』だからこそ好きな部分があります。

 

こちらは多言語説明書のドイツ語部分。「親御さんへ」と書かれたメッセージが載っています。アクティブキッズシリーズ共通の文章なのですが、まあ詳しい内容は各自アクティブキッズシリーズを手に取り読んでもらうとして、差出人は「HABA社アクティブキッズ担当者より」。だいたいどの言語も似たような表記です。

 

日本語説明書では、こうなります。

 

 

HABA社:子どものやる気起こさせ担当

 

子どものやる気より先に、大人のやる気が起きてしまいました。

 

 

あの日公園を走り回っている誰かが羨ましかった僕たちへ。

今日公園を走り回っているあの子が羨ましい君たちへ。

 

無邪気に走り回っていいんです。大声で笑ったり、ちょっと変なことをしたって許されるんです。ときにはムカつくことだってあるでしょう。小学校高学年のあの頃の、欲しかった全てがここにあります。ソックスモンスター:アクティブキッズ!!君も小学5年生!!

 

明日はatsさんの記事です。毎年ネスターゲームズについてお話いただいていますが、やっぱり今年も……!?楽しみですね!!

 

そんじゃ、またね。